~第4話~でっででー!デリー空港
夢の中でスッチーとあんなこ(以下省略)
午前2時
んあぁぁぁぁ!!
起きたっ!!
先生の調子もまぁまぁよさそうかな??
「ねぇ安藤?」
「・・・だ、だるい・・」
まぁいいさ、俺たちはもうインドまで来ちまったわけだ。
あとはどうにでもなるって!
「なっ!安藤?」
「だるい・・・」
・・・頼みますよ先生!!泣
てかインド人いっぱいいるんですけど!!(当たり前だが)
ターバンが妙にうさんくさいんですけど!!
みなさん絨毯に乗ってここまでいらっしゃったほうがいいんじゃないでしょうか?
安上がりだし。
空港を出た俺たち。
「うわぁ~霧がすごいねぇ?安藤?」
「そうだねぇ~」
霧じゃなくて埃でした。
インドって「カレー臭い」とか言われてるけど、俺にはまったく臭さが感じられなかった・・・。
もしかしてもともと俺自体がカレー臭いのだろうか・・・。
これぞまさに加齢臭!!(もし加齢臭がしていたら教えてくれ)
そう、まずはあれだ!
「両替」だ!!
で、どこで両替してくれんの?
調べによると「両替屋」でちょろまかされたりすることが多いらしいじゃないか。
まぁ発展途上国の国はどこへ行ってもそうだと思うが。
よし!
あそこで両替だ!(てか、なんで両替ごときでここまで気張らないといけないんですか!?)
両替カウンターらしきところへ向かうレース直前の馬のように気張った日本人と、すでに渡り鳥にまぎれて国を渡ってしまった完全にくたびれたオウムのような日本人二人。
カウンターには鬱蒼とヒゲを生やしたおっかないおっさんが三人くらいでクッキーを食べてた。
これがアメリカの警官だったらやはりドーナツだったのかもしれないが、ここはインドである。
どうでもいいが、その象のえさのような不味そうなクッキーを美味そうに食べながら仕事をするのはやめてもらえないだろうか。
お前ら仕事する気あんのか!?
しかもみんなして俺のことガン見なんですけど!
怖いんですけど!!
日本に初めて連れてこられえたパンダになった気分だ。
「安藤!ここはまずい、止めよう!あいつら顔から俺たちを騙そうオーラが出てる!」
「大丈夫だよ」
さすが先生・・・。
落ち着き払ってるじゃないか。
なんか安藤が輝いて見え・・・
・・・あれ?
顔色悪いですよ!!
「いいよ、ここで・・・」
ただの諦めモードですか!?
インドの通貨は「ルピー」で、この時のレートは1ルピーが約2.5円だ。
ここでは日本であらかじめ両替しておいた米ドルからルピーに両替。
1$が44ルピーだった。
俺は頑丈に腹に巻いた旅行用のポーチからドルを出し先頭のヒゲに渡した。
それにしても無愛想な奴らだ・・・。
俺「よし、300$両替してくれ。」
ヒゲ「@0t872んfms:あs」
俺「なんだって!?せめて英語にしてくれないかなぁ!!」
ヒゲ「ぬp。:y8い{>H+・・・もぐもぐもぐ」
安藤「オーケーオーケー!」
英語なんだな!?
それは英語なんだな!?
わかった。
わかったからその不味そうなクッキーを飲み込んでから喋ってくれ。
そして両替した金を放り投げるのやめてくれ!
感じ悪い。
なんなく(?)両替を終えた二人。
夜中の3時、ここで行動するのは危険極まりない。(らしい)
まぁ仮に何かしら動いたとすれば二人してインドの山奥に直行だろう。
インドの山奥で鉄砲を打つために来たわけじゃないのだ。
とりあえずガイドブックに載っている待合室を探しに歩いた。
あ!
日本人だ!
有名人なのかな?
空港の外になにやら日本人らしきポスターを発見した。
ポスターに近寄る俺たち。
・・・MISSING PERSON??
あれ??
思いっきり行方不明者ですけど安藤先生!!
か・・・帰ろっか・・・。
そんなポスターに背を向けて俺たちは待合室を探しに行った。
へぇ~インドもコスプレとか流行ってんだな~
みんな迷彩服なんか着ちゃってさ~
モデルガンなんか持っちゃっ・・・
本物かいっ!!
てか銃口をこっち向けるなってば!!
あぶねぇから!!
あぁぁぁぁぁぁああああ!!!
もう全部疲れる!!
こんなんじゃ待合室に着くまでにミイラになっちまうよ。
なんとか待合室らしき部屋の前まで来た。
一人のおっさんが入り口の椅子に座って、中に入って行く人と話をしている。
人がいなくなるとうつらうつらと居眠りをしながらそこに座っているインドオヤジ。
たまに金を受け取ったりしてるところをみると有料だろうか・・・。
俺たちはしばらくその様子を遠めに見ていた。
「どうする?安藤?」
「たぶん有料だろうけどおじさん居眠りしてるからその間に入っちゃおうよ!」
(いつのまに元気になってんだよ・・・)
「OK先生!!」
おっさんがこっくりこっくりしてる隙に・・・
いまだ!!
「ヘイ!!ウェイウェイウェイ!!」
ガッチリ腕を捕まれました。
ですよね・・・。
オヤジ「金払えよ!馬面!!」
俺「誰が馬面やねん!!」
オヤジ「30ルピーだ」
俺「はいごめんなさい」
二人分60ルピーを払って待合室に入った。
中はベンチがずらーっと並んでるだけの埃臭い部屋。
でもここはインドのお金持ちらしき奴しかいないみたいだ。
そりゃそうだ、庶民の平均日収が100ルピーのインドで休憩に30ルピーも取られてたら誰も入るわけがない。
中にはものすごい数の札束を広げてたおっさんもいたが、きっとあいつは絨毯に乗ってきたタイプだ。
安上がりだし。
俺は寝れないし安藤はいつのまにかまた半死状態・・・。
とりあえず朝を待ってから出発することにした。